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2020年戦力分析その6 ~オリックス・バファローズ~

 遂に今日からキャンプインですね!野球選手にとってはここからが新しい一年間という感じでしょうか。各球界の注目選手も集まってきていますし、今年のNPBも魅力満載のシーズンになりそうで楽しみです。その一方で、様々な感染症が流行るシーズンに入っており関連ニュースも賑わってきています。選手や各球団スタッフはもちろん、ファンの方も体調管理と手洗いを徹底しなければなりませんね。今年も健康第一に、野球観戦を楽しみましょう。今回は戦力分析の6回目で、オリックス・バファローズの記事になります。どうぞご一読を。

 

1. 2019年シーズンの総括

 昨年のオリックス・バファローズは前年度の4位から最下位に転落と悔しいシーズンでした。しかしチームを支えてきた金子千尋投手や西勇輝投手、小谷野栄一選手などが抜け、福良淳一監督体制から福良GM、西村徳文監督体制へ移行した初年度であることを考えると、最初から育成重視のシーズンだったのかもしれません。では詳細を振り返っていきましょう。

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 昨年の投手陣は全体の防御率が4.05とリーグ5位でした。悪かったのは、救援陣です。救援陣だけの防御率は4.23とリーグで一球団だけ4点台を超えており、接戦を乗り切るスタッフが十分に揃っていなかったことが分かります。選手個人を見ても、10試合以上救援登板した選手の中で防御率2点台以下の投手が海田投手のみという厳しい内容になっています。前年度セットアッパーだった山本由伸投手が先発に転向したシーズンで、頼りの増井投手にも積年の疲れが出てくるなど間の悪い部分もあったのですが、もう少しフレッシュな人材の活躍が欲しいところでしょうか。勝ち継投の投手は毎日のようにスタンバイとしないといけない大変なポジションですが、僅差の展開でも動じない気概のある投手が出てきてほしいですね。

 一方で先発陣は、防御率がソフトバンクに次ぐリーグ2位、イニング数も西武に次ぐ2位と健闘していました。長いイニングを投げ抜く力を持った選手が揃っているという意味では、リーグトップレベルではないでしょうか。しかも全員が若いですし、伸び代も計り知れません。特に規定投球回に達した山岡投手と山本投手は今後数年のオリックスの看板選手なので、今後も故障なくチームを引っ張ってほしいですね。

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 他球団との相性を見てみると、西武とソフトバンク、そして日本ハムを苦手とし、貯金を多く作られていたことが分かります。特に対西武戦の防御率の悪さは深刻ですね。外崎、山川、森、中村の西武の90打点カルテットにはオリックス戦だけで99打点を稼がれており、記録の手助けをしてしまっています。今季もこれらの打者は健在であり、今後最も対策に苦しむ部分かもしれません。それよりも対策が容易なのは、対日本ハム戦でしょう。ほとんどの試合で先発に負けがついている日本ハム戦でもう少し先発が踏ん張れていたら、対ロッテ戦のように勝敗が逆になってもおかしくはありません。相性を見ると、救援陣も対戦する球団によっては善戦しているようですし、潜在的には接戦でも踏ん張れるスタッフが揃っているのも分かります。頑張れるはずですから、今季は期待できそうですね。

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 次に野手陣ですが、昨年最も目立ったのが打線の得点力不足ではないでしょうか。チーム本塁打はリーグ5位、得点はリーグ最下位であり、吉田正尚選手、ロメロ選手以外は40打点以下だった決定力不足も深刻です。福田周平選手が二塁手としてシーズンを全うできたのは良い点ですが、その他に出塁できるリードオフマンタイプの選手がおらず、まともに上位打線も組めない状況にあります。

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 得点貢献のグラフ(灰色の棒)を見ても、あらゆるポジションでマイナスとなっています。特に三塁手、中堅手、そして捕手のマイナスが大きすぎますね。シーズン終盤のように中川選手が三塁を守る場合は、今度は右翼手が穴となります。中堅手はシーズン後半台頭してきた宗選手が居ますが、右翼手は西浦選手の台頭を待つには若すぎます。小田選手、後藤選手らも昨年期待に応えられませんでしたし、中堅・右翼も守れる(丈夫な)外野手というのが明確な補強ポイントとなっていました。

 

2. 2019-2020シーズンの選手の動き・新戦力分析

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 昨年オフはまず期待に応えることができなかったマレーロ選手が退団したほか、昨年は主に指名打者として成績を残したロメロ選手も離脱の多さを懸念され退団となりました。ロメロ選手の退団は残念ですし他球団への流出も心配でしたが、その不安を払拭するビッグニュースがメジャーで長く活躍したアダム・ジョーンズ選手の獲得でしょう。

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 上記のようにジョーンズ選手はメジャー通算282本塁打、ゴールドグラブ賞も中堅手として4回受賞した名選手で、2018年までは中堅手、昨年は主に右翼手を守っており、チームの補強ポイントにハマるこれ以上ない選手と言えます。若干衰えてしまったここ二年もメジャーで本塁打15本、OPS.730程度を残しており、日本で活躍するには十分な成績と言えるでしょう。直近2回のWBCにも出場しており、入団会見時のマジメさからも野球愛の高さが伺えます。吉田正尚選手なんかは良い刺激になるんじゃないでしょうか。YJ砲として本塁打を量産してほしいですね。

 新外国人野手としては他に、アデルリン・ロドリゲス選手も獲得しています。こちらはメジャー経験の無い選手ですが、近年の成績を見てみましょう。

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 ロドリゲス選手は今年29歳になる選手ですが、昨年初めて3Aに昇格し、OPS.997という成績を残しています。選球眼は高い方ではないですが、長打力は期待できそうな成績ですね。三塁手の経験はありますが、最近は一塁手がメインなのでモヤ選手と競争という形でしょうか。激しいレギュラー争いを期待したいですね。

 また、新外国人投手としては中継ぎ投手としての起用が予想されるタイラー・ヒギンス投手が入団しています。投手は多いに越したことはないですし、こちらも守護神を掻っ攫うくらいの活躍に期待です。

 ドラフトでは石川昂弥選手と河野竜生投手のくじを外してしまいましたが、宮城大弥投手を始め、将来性豊かな選手を獲得しています。最近は高校生を上位で指名しているのを見ると、中長期的に強いチームを目指して改革している時期なのかもしれません。まずは二軍で経験を積んで、一日でも早く一軍で見たいですね。

 そしてつい先日、ロメロ選手が楽天に入団してしまったという情報が入ってきました。楽天打線は今年以上に手強い相手になりそうですが、オリックス打線も昨年以下になるということはないと思うので、対戦成績を維持できるよう頑張ってほしいですね。

 

3. 2020年の戦力分析・オーダー予想

 では最後に、今年の投手陣と野手陣の予想布陣を見ていきます。

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 先発陣は最優秀防御率を獲得した山本由伸選手の更なる飛躍に期待です。昨年は先発転向一年目とあって大事に使われているようにも見えましたし、離脱もありました。大きな怪我だけは避けてほしいですが、180イニングを投げれるようになれば沢村賞に最も近い投手だと思うので、是非目指してほしいです。この山本投手と山岡投手に加え、榊原投手、K-鈴木投手が規定投球回を投げきれば、Aクラスは間違いないでしょう。あとは田嶋投手と竹安投手らが先発した試合をどう戦うかというところでしょうか。アルバース投手の力を借りないでいいくらいの若手投手の頑張りに期待したいですね。

 昨年良くなかった救援陣は、前述の通り世代交代の時期に来ています。ディクソン投手や増井投手がこのまま抑えのままシーズンを乗り切るという確証は無いので、近藤大亮投手や山田修義投手ら20代の投手がこの役割を担えるくらいまで成長してくれると頼もしいですね。

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 次に野手陣ですが、昨年の9月のオーダーを考えるとシーズン当初はパターンAの打順になりそうです。この場合は足のある宗選手と福田周平選手がかき回して、吉田正尚選手とジョーンズ選手が長打で返すのが基本的な先制パターンになりそうです。宗選手が心許ない場合は、パターンBの中川選手を一番バッターとするオーダーを考えてみてもいいかもしれません。中川選手は足もありそうですし、打率を維持できれば意外とハマるかもしれません。もし適当なリードオフマンが見つからない場合は、打順を一つずつ繰り上げて二番・吉田正尚、三番・ジョーンズとするオーダーもありだと思います。ただこの場合は若月選手ら捕手陣にもある程度打ってほしいですね。

 これらのオーダーを見ると、右翼と中堅を守れるジョーンズ選手を獲得したこともあり、さきほど得点貢献のグラフで弱点となっていたところもある程度埋まっていくのではないかと予想されます。大城選手が昨年怪我・手術をしている遊撃手は少し不安ですが、安達選手も居ますし太田椋選手(19)、宜保翔選手(20)といった一軍経験を積ませたい選手も居ますから、ある程度は流動的でも良いのではないかと思います。それ以上に不安なのは、ロメロ選手が抜けた指名打者の穴でしょう。おそらく一塁も含めてモヤ選手との争いになると思いますが、昨年全く結果を残せなかったT-岡田選手はこのポジションを是が非でも取りにいかないといけません。投手陣はあまり外国人選手の力を借りなくてもいいかもしれませんし、ロドリゲス選手を使うオーダーも考えられます。残留してプエルトリコにも行きましたし、もう後が無いくらいの気持ちで頑張ってもらいたいですね。彼が復活すれば、優勝もありえます。

 

4. 終わりに

 以上、今年のオリックス・バファローズの戦力分析でした。西村監督もまだ優勝経験は無いので、今年はAクラスはもちろん1位になるくらいの気持ちで頑張ってほしいですね。

 これでパ・リーグの全球団の戦力分析が完了しました(過去分は下記参照)。更新速度が遅くて申し訳ないですが、オープン戦開始までには全球団分上げたいと思うので、今後も読んでいただけたら嬉しいです。次回からはセ・リーグ、まずは1位の読売ジャイアンツの記事になります。それではまた。

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5. 参考サイト

NPB.jp 日本野球機構

プロ野球 - スポーツナビ

データで楽しむプロ野球

- nf3 - Baseball Data House Phase1.0 2019年度版

FanGraphs Baseball | Baseball Statistics and Analysis