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【2022年】オリックス・バファローズ戦力分析 -12球団戦力分析その1-

 春季キャンプが始まっていますね!早速奇抜な采配で湧かせている新庄ハムや期待のルーキーなどホットな話題が目白押しで、面白いシーズンになりそうで楽しみです。オミクロン株の方はまだまだ感染者数が増加しており油断できない状況ですが、NPB内の感染者は1月よりも減っており、ウイルス対策が徹底されていることが窺えます。オープン戦開始頃には減少傾向に入り、万全な形で新しいシーズンを迎えることを祈るばかりです。

 今回から2022年の12球団戦力分析をぼちぼち開始します。今年も例年通りパ・リーグからで、第一回は優勝したオリックス・バファローズの記事になります。どうぞご一読を。

 

1. 2021年の総括

 まずは基本的な勝率推移や各選手の個人成績を見ながら昨シーズンを振り返っていきましょう。

シーズンの流れ

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 昨年のオリックスは11年ぶりに優勝した交流戦で上げた調子を最後まで維持し、遂に宮内オーナーの悲願であった大阪移転後初、25年ぶりのリーグ優勝を果たしました。昨年までエースの山本投手と主砲の吉田正尚選手頼りで2年連続最下位だったのが、杉本選手と宮城投手を筆頭に多くの生え抜き選手が成績を上げ、たった一年で別のチームのように生まれ変わったのには驚かされましたね吉田正尚選手が終盤に2度も離脱するなど逆風も多かった中で、選手の適性を見極め最後まで冷静な采配に徹した中嶋監督以下首脳陣のチームワークがとても素晴らしかったように思います。日本シリーズ進出を決めた安達選手と”シーズン一安打”の小田選手の2連バスターなどかつての仰木マジックを彷彿させる場面も多く、神戸時代を知るオリックスファンや阪急ファン、そして近鉄ファンも含め全員の積年の思いを晴らすような新時代のスタートとなる大きなシーズンだったのではないでしょうか。日本シリーズは負けてしまいましたが、第5戦のジョーンズ選手のホームランなど見どころは満載でしたし上出来でしょう。東京五輪を挟むコロナ禍の疲れるシーズンでしたが、日程が長引いたことで最後に神戸のファンの前で野球をできたのも良かったですね。

投手成績

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 先発陣エースの山本由伸投手がようやく白星を量産し、歴代8人目となる投手5冠を達成して沢村賞に輝きましたほとんどの項目で2位に大きな差を付けてのタイトルで歴代受賞者の中でもかなり傑出した成績であると言え、日本を代表するスーパーエースとしての力を存分に発揮してくれました。1シーズンで留まるような投手ではないと思うので、引き続き打線の援護に期待できる今後の活躍にも期待です。そして、この化け物級の成績の山本投手に高卒2年目ながら3項目で2位に付けて遜色ない活躍を見せたのが宮城大弥投手です。一軍でも上位の投球術を披露し、精神力の高さも見せてくれた弱冠20歳の大ブレークには新時代の到来を感じさせられましたね。エース級の若い二人で22の貯金を作っており、チームの大躍進の原動力だったことが窺えます。これに加え、2年連続で規定に到達した田嶋大樹投手、初めてほぼ一年間ローテを完遂した山﨑福也投手もキャリアハイの成績を残しており、イニングを食える先発陣で勝率を堅持する強いチームの戦い方ができていました。山岡泰輔投手や終盤に活躍した山﨑颯一郎投手らローテを任されたほとんどの投手が20代中盤以下と非常に若く、黄金時代の幕開けを予感させるような素晴らしいシーズンでした。

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 救援陣は突出した数字を残す投手はいなかったものの、メジャー帰りの平野佳寿投手が期待通りの役割を果たしてくれたこともあってリーグ上位の陣容を整えられていましたヒギンス投手山田修義投手比嘉幹貴投手の従来の勝ちパターンに加え、富山凌雅投手を筆頭に漆原大晟投手K-鈴木投手ら期待の若手陣も経験を積み、来年以降の世代交代も見据えた起用をした中で良い結果を残せていたのが素晴らしかったです。また、救援敗北数の少なさに表れているように見かけの防御率に反してリリーフ失敗が少なく、終盤の展開に弱かった昨年までの反省を活かした投手交代が徹底されていました。勿論”9回打ち切り”で救援陣の負担が減ったことも成績良化を後押ししたとは思いますが、2014年の悔しいシーズンを知るベテラン陣と中堅陣、若手陣の結束力の高さによって数字以上の結果を得た大きな一年だったように思います。

 若い選手が多い投手陣を技術とメンタルの両面で支えた能見篤史投手兼任コーチの補強も的確でした。苛酷な甲子園を本拠地として100勝を挙げた球界の大先輩の存在は今後も大きいでしょう。来季以降も楽しみです。

打撃成績

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 野手陣は、ここ数年リーグワーストレベルだった得点力が改善され、リーグ平均レベルの成績を残し投手陣をバックアップしました。安定した成績で今年もタイトルを総なめにした吉田正尚選手に加え、前年までなかなか結果が出ていなかった杉本裕太郎選手がプロ6年目・30歳にして覚醒し、OPS2位と一気にリーグトップレベルの打者に成長したのが最も大きかったですね。前年度から大きく減った吉田選手の敬遠数にも表れているようにOPS1位の吉田選手の後にほぼ同格の杉本選手がいるのは相手バッテリーにとって非常に脅威で、吉田選手の故障離脱時に大崩れしなかったことも含めて杉本選手の台頭がオリックスの大躍進を支えたと言っても過言ではないでしょう。杉本選手を信じて起用した中嶋監督や覚醒の切っ掛けを与えながら自分の役割に徹したジョーンズ選手にもあっぱれです。更に昨年は4月中旬からサードのレギュラーを堅持した宗佑磨選手とセンターへ転向した福田周平選手が十分な数字を残したことで、リーグ屈指の三四番を活かす打線が組めていました。一二番の打撃能力の極端な低さが目下の課題だったので、シーズン序盤の若手重視路線に早い段階で見切りを付けて適格な選手を抜擢するという判断ができたのは最終戦後までもつれたリーグ優勝においてかなり大きかったのではないかと思います。

 他にも宮城投手と同学年の紅林弘太郎選手が大型遊撃手として攻守に才能の片鱗を見せ、T-岡田選手安達了一選手のベテラン陣やモヤ選手伏見寅威選手若月健矢選手ら捕手陣も例年並みの活躍を見せるなど全ての世代の力が結集したことにより、最高の結果を得ることができました。更に高いレベルを目指すためにはまだまだ壁も多いですが、それを超えていくことも夢ではないと思わせるようなチーム作りが順調に進んでいることを感じ取ることができた良い一年でした。

 

2. データで覗く2021年

 ここでは、各チームの起用法や環境の違いに着目したデータを見ていきます。今年は従来の「打順分析」と「相性分析」に加え、「登板間隔」や「救援登板数と連投」に関するデータを追加してみました。

先発投手の登板間隔とスタート評価

 まずは先発ローテの登板間隔ごとの成績評価についてのデータです。ここでの登板間隔は救援登板も含む前登板日から登板日までの間の日数を指しています。以下の解説にあるように先発の登板をHQSとHQS以下のQS(NQS)、最低限のスタート(modS)、その他(fS)に分け、各登板間隔ごとの特性をまとめました

【用語解説】
HQS(High Quality Start) : 7イニング以上投げて2自責点以下の登板
NQS(Normal Quality Start) : 6イニング以上投げて3自責点以下で、HQSには該当しない登板HQS以外のQS
modS(moderate Start) : 5イニング台かつ3自責点以下の登板、または6イニング以上かつ4自責点以上の登板 ; 先発として(筆者が思う)最低限の仕事をした登板
fS(failed Start) : HQS、NQS、modSいずれにも該当しない登板
QS% : NQS以上の登板の割合 ; 平均50%程度 modS% : modS以上の登板の割合 ; 平均70%程度
sIN/6.0 : 平均イニングを6で割った値の百分率 Pitch/100 : 平均投球数を100で割った値の百分率

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 各登板間隔での試合数がほぼリーグ平均と一致しており、スタンダードな起用法だったと言えるでしょう。特筆すべきは「中6日」の試合でのQS率と『modS%』の高さで、ローテで回った主力投手が確実に毎週の役割を果たせていました。山本、田嶋、宮城の三本柱みならず四枚目以降の山岡投手や山﨑福也投手らも「中6日」で多くのQSを挙げているなど、生え抜きの日本人投手だけでリーグトップレベルの陣容を揃えており、先発部門での傑出度の高さを感じさせられます。同じく数字の良い「中7-9日」も合わせると全勝利数の3/4程度をこの登板間隔の試合で挙げており若く強靭なローテに支えられたリーグ優勝であることを力強く裏付けるデータになっています。

救援投手のリリーフ精度と連投度合いの推移

 次は救援投手への負荷についてのデータになります。救援登板数および連投起用の多さを図る連投ポイント(以下解説参照)という指標をもとに、主要救援投手8名の連続7日間(試合数が2試合以下の期間は除外)の連投ポイントの推移を見ていくことでシーズン中のリリーフ起用の傾向を見ていきます。なお、主要救援投手8名は救援時の貢献度を示すrKD(救援登板時の小松式ドネーション)で選出しました。

 グラフを簡単に説明すると、面グラフの青の部分が救援登板数を示し、それを超える赤の部分が大きいほど連投が多い時期ということを表します。先発が平均で5~6イニング消費することを考えると青の部分は3.0以下、赤の部分は青プラス1.0以下の状態が望ましいと考え、面グラフに対応する左軸の4.0のラインにボーダーラインを引いています。また、折れ線グラフに対応している右軸のQRはリリーフ成功率の良し悪しを示しており、グラフがボーダーを割ってマイナスになっているところはリリーフ精度が悪かった時期ということになります。

【用語解説】
救援登板数/G : 連続7日間の一試合平均救援登板数
超過連投pt/G : 連続7日間の登板数を超過した連投pt*の一試合平均 ; 期間中の連投起用の多さを示す
QR : クオリティリリーフ*;リリーフ成功を示す記録(HP、S、引分完了)からリリーフ失敗(ブロウンリリーフ)の4倍を引いたもので、救援陣のリリーフ精度を示す
※連投pt:日数を基準として1連投目の登板に1pt、2連投目の登板に2pt、3連投目の登板に3ptというふうに各登板に重みをつけたものの合計値
※クオリティリリーフも含めた指標の詳細については以前の記事(⇒リンク参照

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 リーグトップの先発陣がイニングを食ってくれた影響か一試合あたりの平均救援登板数が3を超える期間はほぼなく救援陣を疲弊させない起用法ができていましたリリーフ精度もほとんどの時期でプラスとなっており、救援陣の登板管理がしっかりしていたことが窺えます。登板数上位の投手が少なかった結果に表れているように連投もシーズンを通して少なく、優勝チームにありがちな特定の投手に負担をかけすぎるということが無かったのが非常に良かったですね。この辺は2014年の経験も活きているでしょう。過去の反省を活かした上で更に遠くの高みを見据えての起用を徹底しての好成績ということで、数字に表れない価値があるのではないでしょうか。本格的に世代交代を迫られる救援陣が今後どんどん強くなるチームでどんな成績を残すのか、要注目です。

打順分析

 次は打順分析です。昨年と同様に簡単にパークファクターも反映し出塁率(OBP)、長打率(SLG)、得点貢献度(RRP=(得点+打点)/(打席+代走起用)*)を各打順のリーグ平均と比較することにより、リーグ平均的な打線と比べ各打順にどのようなタイプの打者が置かれ、どのような仕事をしていたかを見ていきます。昨年は代打なども各打順に入れていましたが、今年は代打などの途中出場の打者は別にしています

※昨年まではHPRP=(得点+打点-本塁打)/打席という指標を使用していましたが、得点貢献度を示す意味では本塁打を過小評価するのは不適切と判断し、単純に得点と打点の和を打席数で割ったものをRRP(Run and Run batted in Participation)として使用しています。

 打順下の選手名はその打順にスタメンで置かれた上位2選手(8割以上スタメンで出ている場合はその1選手のみ表示)になっています。OBPgap青棒)、SLGgap橙棒)、RRPgap灰棒)は各打順における各指標のリーグ平均との差を示しています(リーグ平均についてはグラフ下の「切り替え」ボタンで参照ください)。

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 吉田選手頼りで得点貢献度がほとんどの打順でマイナスだった昨年から一転、クリーンナップを中心に大きくプラスとなっている打順が多くなっており優勝チームとして申し分ない打線を組めていました。傑出した選手が一人増えればそれだけ周囲の負担も分散するので、ここでも杉本選手が覚醒したことの影響力の高さを感じます。下位打線やジョーンズ選手ら代打陣の得点貢献度も高く、僅差の場面でも効果的な采配ができていたのも素晴らしいですね。また先述した通り、昨年は大きくマイナスとなっていた一二番の成績をリーグ平均前後まで押し上げた福田選手と宗選手の貢献度はかなり大きかったと言えるでしょう。この二人に代表されるように前の年から守備位置を大きく変えた選手が多かった中で良い結果が出たのは、コーチ陣の組閣から抜本的な改革も行った勝負のシーズンでチーム全体で選手の適性ポジションについて議論できていた証でもあります。多くの若手有望株のブレイクを控える今後にも期待したいですね。

相性分析

 最後は相性分析になります。昨年とは少し趣向を変え、対戦相手別の試合を「QS試合」、「1点差以内の試合」、「本拠地での試合(ビジター開催も含む)」、「本拠地以外での試合」に分け、勝率と得失点状況を見ていきます勝ちパターンの精度を図る『QR/G』、盗塁と盗塁阻止における優位性を図る『SBI/G』、失策時の得点面での優位性を図る『aEI/G』については昨年と同じで、勝率や得失点はリーグ平均よりある程度高いか()、平均程度か()、低いか()で色分けしています。

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  僅差でのゲームの勝率の高さが目立ちます。多くのイニングを食ってくれるリーグトップの先発陣の存在が大きい上、全てのチームに対してプラスになっている「QR/G」に表れているように先発陣の後を受ける救援陣の登板管理がしっかりできていたことが大きかったですね。"9回打ち切り"という条件がどれほど効いていたかは分かりませんが、今の先発陣と首脳陣がいれば大きく崩れることはないでしょう。

 全体的には苦手チームを作らない常勝チームの戦い方ができており、優勝も納得のデータになっています。その中で改めて見ると、同一リーグの他球団が軒並み低調に終わった中でQS数とQS勝率で圧倒した交流戦での貯金の重さを強く感じます。交流戦は他チームに一気に差を付ける絶好のチャンスなので、歴史的に得意なチームとして今後も強みとしたいところです。

 

3. シーズンオフの選手の動きと新外国人分析

オフの選手の動き

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 既存外国人ではヒギンス投手、モヤ選手、ジョーンズ選手といったリーグ優勝に大きく貢献した選手が退団し、シーズン終盤に加入したバルガス投手とラベロ選手が残留するという異例の形を取りました。退団になった3選手とも契約満了のシーズンだったので、おそらく早い段階から退団が決まっており、2選手の獲得はコロナ禍での入国規制が懸念される次のシーズンを見据えた側面もあったのでしょう。近年では最高の成績を残したにも関わらず、現状に囚われずに数年先を想定できているのは良い点ですね。

 ドラフトは高卒選手は育成も含めて5位・池田陵真選手のみと近年の高校生路線から一転、大学生・社会人中心の指名となりました。2位に大学ナンバーワン遊撃手の野口智哉選手、3位にキャプテンシーも魅力の強肩捕手・福永奨選手、4位に俊足巧打の中堅手・渡部遼人選手と次世代のレギュラー候補に重点を置いており、最も急務な野手陣の世代交代を意識した指名でした。一方の投手では先発と救援両方に対応できる椋木蓮投手を1位で指名したほか、下位指名で社会人の横山楓投手小木田敦也投手を指名しており、弱点とするリリーフの即戦力を補強しています。現在のプロスペクトが非常に若い高卒選手に集まる中で不足していたその上の世代を補強する形となっており、次年度以降の黄金期を強く意識したドラフトと言えるでしょう。

 新外国人の3選手は現時点でまだ来日していませんが、簡単な経歴とともに一人ずつ見ていきます。

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 先発候補ジェイコブ・ワゲスパック投手は多彩な変化球を武器とする長身右腕です。球威のある平均148km/h程度の直球を軸にカットボールやカーブ、ツーシーム、左打者に有効なチェンジアップ空振りも奪える球種を多く持ち合わせており、長いイニングに耐えられる投手と言えるでしょう。メジャーでは初昇格して13先発した2019年以外目立った実績は残せていませんが、5イニング以上投げてある程度試合を作る投球術は確かで、主力ローテ陣の疲れが見える中盤以降の強力な味方になってくれそうです。29歳とまだ働き盛りなので、長く球団に貢献する選手になってほしいですね。

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 長身左腕のジェシー・ビドル投手平均150km/hを超える速球に落差の大きいカーブ、大きく横に曲がるスライダーと三振が取れる2種類の決め球を併せ持つセットアッパー候補です。2018年には地区優勝したブレーブスで勝ちパターンとして60試合に登板しており、潜在能力は折り紙付きと言えるでしょう。近年は与四球率がかなり悪化したことで成績を残せてはいませんが、救援投手としての経験が多くランナーを置いた場面での引き出しも多そうなので、ボールが変わることによる変貌に期待したいところです。

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 ブレイビック・バレラ選手内野の全ポジションを本職とし外野全ポジションの経験もある両打ちのユーティリティプレイヤーです。メジャーレベルでは強い打球は打てていませんがコンタクト率と選球眼は平均以上のものがあり、三塁打や盗塁を狙う走塁意識も備えていることから、NPBの投手に順応すればリードオフマンとしても期待できるかもしれません。昨年は宗選手や紅林選手の台頭があったもののまだまだ経験の浅い選手が多く、安達選手がベテランの域に差し掛かるオリックスの内野事情にはぴったりハマる選手だと言えます。ポジションが被る太田選手らが覚醒する切っ掛けにもなるかもしれませんし、意外な相乗効果にも期待したいですね。

 この3人以外のラベロ選手とバルガス投手は来日済みで、開幕戦から主戦力として計算されています。ラベロ選手は2017年以降の3Aで3割を大きく超えているコンタクト力と平均以上の長打力から中軸としてかなり期待できますし、事前にBC茨城に入団してNPB入りの準備をしていたバルガス投手も向上心抜群のブレイク候補です。外国人選手の活躍なしでは優勝は実現不可能なので、感染が収まり次第なるべく早い段階で全員を揃えておきたいところです。

 

4. 2022年の予想布陣

 最後に今シーズンの予想布陣を見ていきましょう。 投手、野手ともに昨シーズンの成績と一軍実績や年齢、最近の二軍成績や記事をもとに、今年の陣容を考えてみました。実績があっても怪我や未入国のため計算できない選手もいるため、選手の背景色によって選手の状態(ほぼ異常なしと思われる選手故障の影響が大きいと思われる選手灰色未合流の選手育成契約の選手)が分かるようにしています。年齢や怪我の状態を考慮して実績があっても載せていない選手もいますが、その点はご了承ください。

投手陣

 投手陣は先発、中継ぎそれぞれ12人ピックアップしています。「疲弊度」以前の記事でまとめた投球数と登板間隔をもとに昨シーズンの負担の大きさを表したオリジナル指標です。二軍戦など一軍公式戦以外の負担は反映しておらず決して現実に即したものではありませんが、参考程度に載せています

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 先発陣は昨年と同様に山本投手、宮城投手、田嶋投手の三本柱が軸になります。宮城投手は一軍2年目でジンクスも予想されますが、日本シリーズを見る限りでは大丈夫そうでしょうか。後半から調子を上げた田嶋投手も成績アップが予想されますし、再び沢村賞を狙う山本投手と3人でタイトル争いするくらいの飛躍に期待です。3年ぶりに延長12回までと中継ぎ陣への負担が懸念される中で、若いイニングイーターが難なく規定投球回を投げてくれるのは大きなアドバンテージになるでしょう。四枚目以降も経験豊富な山﨑福也投手山岡投手、ブレイク候補の山﨑颯一郎投手とかなり優秀な先発が揃っており竹安大知投手増井浩俊投手中川颯投手、新加入のワゲスパック投手合間を埋める先発の枚数も非常に多いことから、余程のことがない限りは今年もリーグトップレベルの成績を叩き出すのではないでしょうか。怪我の影響で配置転換も予想されている山岡投手の状態は唯一心配ですが、是非先発で復活して気心の知れたエース陣とともに勝利を量産してほしいですね。

 救援陣は日米通算200セーブまで残り7と目前に迫った平野投手富山投手山田修義投手の両左腕、火消し要員の比嘉投手が中心になるでしょう。若い富山投手は大先輩の記録に遠慮せずポジションを奪うくらいの成長に期待したいです。セットアッパーのヒギンス投手が抜け、穴埋め候補の新加入・ビドル投手の入国が遅れているのは懸念材料ですが、ここは吉田凌投手K-鈴木投手漆原投手ら生え抜き陣が頑張ってくれるでしょうか。椋木投手らルーキー陣や齋藤綱記投手らブレイク候補も多いので、起用法さえしっかりしていれば大崩れすることはないでしょう。ビドル投手や能見投手兼任コーチが入る隙を与えないくらいの若手陣の飛躍にも注目です。

野手陣

 野手陣は、昨年の成績をもとに3パターンの予想打線を組みました。パターンA昨シーズンの最も良い時の打線をベースにした理想打線パターンB二年目のジンクスを考慮し、昨シーズンブレイクした選手を極力除いて実績や経験を重視した打線パターンC年齢や体調不良によるパフォーマンス低下を考慮し、若手を多く起用した打線になっています。

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 レギュラー陣に特にアクシデントが無ければ、日本シリーズでも組まれたように昨年の打線にラベロ選手を加えたパターンAがベースになるでしょう。福田選手宗選手で一二番が組めれば得点力が安定すると思うので、キャリアハイを目指すつもりで頑張ってほしいです。この二人やT-岡田選手安達選手伏見選手若月選手の捕手陣が成績をそれほど落とさずにラベロ選手が中軸に加われば、リーグトップの得点数を叩き出すことも夢ではありません

 一方、昨年はほぼ問題はありませんでしたが、これら主力選手に何かあった場合はその穴を埋める選手の層も重要になります。中嶋監督の期待も大きい中川圭太選手を始め、ユーティリティのバレラ選手や長打力のある頓宮裕真選手はチャンスも多いと思うので、レギュラー奪取を目指して頑張ってほしいです。

 昨年遊撃手を任された紅林選手同じポジションに強打のルーキー・野口選手が加わったことで高卒3年目の20歳ながら勝負の年になります。遊撃手としてポストシーズンまで全うできたのは大きな自信になっていると思うので、非凡なパンチ力も見せた打撃面で大成長を見せてほしいです。そして、長い黄金期を築くためには太田椋選手野口選手来田涼斗選手ら将来のレギュラーの成長も欠かせません。特に昨年は打撃不振で壁にぶつかりながら、最後は大舞台で活躍した太田選手は自分の良い面と悪い面が分析できていると思うので、チームを代表する選手になるための飛躍の年としたいところです。

 そしてリーグ連覇を達成するためには、何より主軸の吉田正尚選手杉本選手が昨年通りの成績を残すことが必要不可欠です。杉本選手はレギュラー2年目ですが、四番としてジンクスをものともしないリーグトップ級の成績が求められます。本塁打王と打点王は勿論、ミート力も割と高いので、吉田選手との首位打者争いも密かに期待したいです。この二人が打線に名を連ねている期間が長ければ長いほど、打線全体の成績も上がってくると思うので、怪我だけには注意してシーズンを全うしてほしいです。そうすれば、昨年よりも余裕を持って優勝し、16年ぶりの日本一を達成することも十分可能なはずです。13年ぶりの2年連続Aクラス達成もかかった黄金期を目指すための重要なシーズンに臨むオリックスから今年も目が離せません。

 

5. 終わりに

 以上、2022年のオリックスの戦力分析でした。雑多なデータと感想を増やしすぎたことで一つ書くだけで疲れ切ってしまったので、戦力分析の記事を書くのは今年で終わりにしようと思います。今年分は開幕までにぼちぼち更新していきますので、暇があったら読んでみて下さい。次は昨季パ・リーグ2位の千葉ロッテマリーンズの記事になります。それでは多分また。

 

6. 参考サイト

プロ野球 - スポーツナビ

NPB.jp 日本野球機構

- nf3 - Baseball Data House Phase1.0 2021年度版

データで楽しむプロ野球

1.02 - Essence of Baseball | DELTA Inc./Glossary

2020年12球団パークファクター - 日本プロ野球RCAA&PitchingRunまとめblog

プロ野球データFreak

Baseball-Reference.com

FanGraphs

Baseball Savant