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【2021年版】横浜DeNAベイスターズ戦力分析

 今年のプロ野球は「9回打ち切り」となることが発表されましたね。新型コロナウイルス感染拡大防止のための措置として、野球の面白さを損なわないギリギリのところを突いたルール変更という感じでしょうか。昨年の時点で多かった引き分けが更に多くなりそうなのは心配ですが、一勝の重みが増したことで先手必勝を仕掛ける奇抜な采配も見られそうで楽しみです。小刻みな継投で引き分けに持ち込む試合の価値も上がるので、年間を通して高精度なリリーフを揃えるための首脳陣の備えがより大事になってくるシーズンになるでしょう。
 今回は2021年の12球団戦力分析の第十回で、昨年セ・リーグ4位に終わった横浜DeNAベイスターズの戦力分析になります。どうぞご一読を。

 

1. 2020年の総括

シーズン成績

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 昨年のDeNAはシーズンを通して波に乗れず、10月に勢いを上げた中日に3位の座を明け渡してしまい、Bクラスに終わりました。前年度は首位巨人に5.5ゲーム差の2位と迫ったラミレス監督の集大成として22年ぶりの日本一も狙って臨んだシーズンでしたが、エースの今永昇太投手を始め先発陣の故障離脱が相次いだこともあり途中からは試合を行う体制を整えるのに手一杯のままシーズンが終わってしまったという印象です。コロナ疲れと勤続疲労の影響かクローザー・山﨑康晃投手の状態が終始不安定だったのも誤算でしたね。筒香嘉智選手が抜けた野手陣は華麗に世代交代に成功し、リーグトップレベルの得点力を誇っていただけに何とも歯痒いシーズンでした。

投手成績

2020年DeNA先発

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 先発陣は、7月中旬からローテを守り切った大貫晋一投手が頑張ってくれました。ローテ定着がやや遅かったこともあって規定には届きませんでしたが、4ヶ月弱で17先発して10勝を挙げたのは立派です。QS率も100イニング以上の先発投手では上位ですし、プロの厳しさも味わった1年目から順調に進化を遂げた充実したシーズンでした。あとは、首脳陣の意向で配置転換も経験した井納翔一投手が久しぶりにローテに定着し、一定の結果を出したのも良かったですね。一方で、他の投手は怪我や不調などで離脱が多く、シーズンを戦い抜く強靭なローテを形成することができませんでした特にエースの今永投手と開幕から8連続QSを記録して防御率トップに立っていた平良拳太郎投手が8月中旬に同時に離脱したのが痛すぎましたね。前年度結果を出した上茶谷大河投手や濵口遥大投手にしても、当初の開幕時に想定したローテ投手がことごとく期待に応えられませんでしたし、優勝を狙うチームとしての一年間を戦い抜く戦力はまだ揃え切れていなかったという印象です。ドラフト1位で競合にならない即戦力投手を確実に取って低迷期を抜け出したのは素晴らしいと思いますが、一年目以降怪我などで成績が右肩下がりになる投手が目立ちますし、これから長くAクラスを維持するチームとなるために方針転換が必要な時期に差し掛かってきているのかもしれません。

2020年DeNA救援

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 一方の救援陣は、今年も12球団トップクラスの試合に登板させられながら、リーグ2位の防御率とホールドポイントをマークするなど奮闘しました。セーブ機会が少なめだったこともあり、不調の山﨑康晃投手の代役を見極める時間に余裕があったのが良かったように思います。その役割を見事に全うし、守護神の座を手中に収めた三嶋一輝投手の飛躍はファンの方々も感慨深かったのではないでしょうか。後ろの回が板に付いてきた石田健大投手やタフに起用に応えるエスコバー投手とパットン投手と組む勝ちパターンは頼り甲斐がありましたし、更に谷間の先発ではプロ初勝利も挙げた平田真吾投手や国吉佑樹投手、ルーキーの伊勢大夢投手も控えており、非常に分厚いリリーフ陣が構築できていました

 ラミレス監督が就任して以降は、シーズン単位の一体感に欠ける先発陣を救援陣が補うという昨年のような傾向が続いています。ただここ数年は登板数が異常に多く、そんな無茶な起用にも耐えてきた数人の丈夫な投手に依存してきたという側面もあるので、それらの投手が勤続疲労で成績を落としてしまった時のためのリスクマネジメントがこれからは更に重要になってくると言えるでしょう。

打撃成績

2020年DeNA打線

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 打撃陣は、ソト選手と宮﨑敏郎選手のレギュラー陣復活を遂げた梶谷隆幸選手4年目にして主将にも抜擢された佐野恵太選手が加わり、更にオープン戦から調子が良かったオースティン選手も怪我から復帰した中盤以降は順当に結果を出したことで、非常に攻撃力の高い打線を組むことができていました。特に筒香選手が抜けた後の四番の役割をしっかり果たし、初規定で首位打者を獲得した佐野選手の予想を遥かに上回る飛躍には非常に驚かされましたね。梶谷選手もようやく打率と長打力が両立したリーグトップレベルの成績を残しましたし、ロペス選手に衰えが見えた前年度オフにオースティン選手を取ってきたというのも凄く良い判断でした。ソト選手が成績を落とし、オースティン選手の離脱が多かったことで"完全体"の状態を目にすることはできなかったのは残念ですが、ラミレス政権5年目にして集大成となる重厚な打線が完成したと言っていいでしょう。

 あとは、5年目の柴田竜拓選手が遊撃手として計算できるようになってきたことや倉本寿彦選手の復活も将来へ向けた大きなプラス要素でした。その反面、レギュラーで複数年以上安定している日本人選手は宮﨑選手だけであり、投手重視ドラフトの弊害か有力な若手野手が不足気味なのも気がかりなので、世代交代をより意識したドラフトや育成を行うことが重要になってきています。

 

2. 打順分析と相性分析

 この節では毎回、少し変わった視点から見た2つのデータを見ていきます。

打順分析

 一つ目は打順分析です。出塁率(OBP)長打率(SLG)に加え、選手の得点貢献度を示すHPRP( 得点関与数[得点 + 打点 - 本塁打]/打席)を各打順ごとの平均と比較することで、リーグの平均的な打線と比べて、代打も含めて各打順にどのようなタイプの打者が置かれ、どのような仕事をしていたかを見ていきます(HPRPを使った経緯は以前の記事参照)。なお、このデータは簡単にパークファクターも反映したものになっています。

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 打順下の選手名はその打順にスタメンで置かれた上位2選手(8割以上スタメンで出ている場合はその1選手のみ表示)になっています。OBPgap青棒)、SLGgap橙棒)、HPRPgap灰棒)は各打順における各指標のリーグ平均との差を示しています。

 まずは一番・梶谷の傑出度の高さが目立ちます。一番打者の打点はラミレス監督が『八番・投手』を実践し始めた2017年以降で初めてリーグトップとなり、年間の約8割近くを占める九番打者の後の打席を得点機にすることに成功していました。『八番・投手』については議論がありDeNAでもここ二年は試行回数が減ってきていますが、一番打者や二番打者を重視するセイバーメトリクスの理論にも則しており昨年の梶谷選手ほどの打者を一番に置く余裕があるチームなら固定観念にとらわれずにもっと試してみるのも悪くはないのではないかと思いました。打線の話に戻ると、他の打順では好調時のソト選手とオースティン選手、そしてロペス選手が入っていた三番打者の圧倒的な長打力も見事でした。3選手の調子に応じて三番打者を入れ替え、優秀な外国人打者を3人集めたチームとしての長所を存分に活かすことができていたのが良かったですね。

 一方で、四番以降の得点貢献度が軒並みマイナスになっており、中軸以降の打線の繋がりという点で課題を残しました。特に三番打者と四番打者の本塁生還数(得点 + 打点 - 本塁打)が少なく、中軸打者の機動力の低さで大きく遅れを取っていることが分かります。佐野選手は指標面では並み居るセ・リーグの四番打者と遜色ない数字を残していますが、ソト選手やオースティン選手というリーグ屈指のホームランアーチストを擁する今のDeNAでは彼らの前に置いた方が打線の爆発力も上がっていくのではないでしょうか。とはいえ得点数ではリーグトップレベルであり、決して足が速くない選手が多い中で試行錯誤した結果辿り着いた良い打順だとも思うので、この数年間のデータをもとに再度色々な打順を試して、アップグレードしていってほしいですね。

相性分析

 もう一つのデータは対戦チームごとの相性分析になります。私が作った指標も使っているので、表で使っている各指標について補足説明をしておきます。

QS% : 先発投手のクオリティスタート(6回以上投げて自責点3点以下)試合の割合
QSP : QS試合における貯金;左横のW、L、DはQS試合における勝敗を示す
QR/G : 一試合あたりのクオリティリリーフ* ; 救援投手のリリーフ精度を示す
※ クオリティリリーフ[QR]とは、以前の記事でまとめた救援投手の"リリーフ成功率"を反映した指標で、成功率が80%を超えるとプラス、下回るとマイナスになるようになっている
aQS% : 相手先発投手からの被QS回避率 ; 打線が相手先発投手をどれだけ攻略できたかを示す
aQSP : 相手先発投手からの被QS回避試合における貯金;左横のW、L、Dは被QS回避試合における勝敗を示す
aQR/G : 相手救援投手からの被クオリティリリーフ回避の試合平均 ; 相手救援投手のQRに-1をかけた数値になっている ; 打線が僅差の展開で相手救援投手をどれだけ打っているかを示す
SBI/G : 自チームの一試合あたりの赤星式盗塁*から相手野手の一試合あたりの赤星式盗塁*を引いた数値 ; 攻撃時の野手の盗塁技術と守備時の盗塁阻止技術を併せた指標
※ 赤星式盗塁 = 盗塁 - 盗塁死 × 2

aEI/G : 相手野手の一試合あたりの失策数と失策による失点*の合計値から自チーム野手の一試合あたりの失策数と失策による失点*の合計値を引いた数値 ; 守備力ではなく、エラー回避能力を示す
※失策による失点は、投手の失点から自責点を引いた数字

 これらの指標を使って勝敗や得失点差に加え、投手や打線の各対戦チームに対する相性や盗塁、エラーの対戦チームごとの傾向を見ていきます。

2020年DeNA相性分析

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 平均よりある程度高いか()、平均程度か()、低いか()で色分けしています。横浜スタジアムを得意とする打者が多く、2014年以降負け越しが続いている苦手の阪神に加え、昨年は終盤追い抜かれた中日に対しても多くの借金を作っており、Aクラスを逃した原因がよく分かるデータになっています。特にナゴヤドームの中日戦では12試合で19得点とろくに点を入れられずに1勝11敗と大きく負け越しており中日躍進の立役者となってしまいました。選手個人では前年度から6試合連続でQSを食らっているエースの大野投手祖父江投手、福投手の勝ちパターン陣との相性がかなり悪く、新たな苦手球団とならないように早急な対策が必要です。

 また、離脱者が多かったのでQS率が悪いのは仕方ないですが、打線が相手の勝ちパターンを打ててないせいかQS勝率が悪く、効率の良い勝ち方ができていないのも改善していきたいところです。得失点差が3点以内の僅差の試合の割合が65%超えと多い割に勝率が悪く、勝ちパターンを無駄に疲弊させてしまう戦い方もラミレス監督の悪い所なので、優秀な救援陣を長く活躍させるためにも今後は適切な登板数管理をより意識していかなければなりません

 

3. シーズンオフの選手の動きと新外国人分析

オフの選手の動き

【2020-2021】DeNA主な入退団

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 昨オフはシーズン中に国内FA権を取得した梶谷隆幸選手と井納翔一投手がFA宣言し、巨人へ移籍しました。リーグ2連覇中の巨人に戦力を補給してしまったのは痛いですが、丁度監督が変わってチームの転換期に入ることを考えると、将来へ向けて新陳代謝を図る意味もある前向きなFA放出であったとも言えるかもしれません。他にもDeNAの上位進出に最も貢献したとも言っていい精神的支柱のロペス選手やパットン投手ら球団の功労者とも契約を打ち切っており一気に主力4人がチームを去った形になっています。

 一方のドラフトでは、例年通りドラ1で一本釣りした入江大生投手に加え、大学日本代表の四番を務めた牧秀悟選手や池谷蒼大投手という即戦力を重点的に指名し、課題の投手力の増強とレギュラー野手の確保をしっかり行いました。先発投手の持続力に慢性的な問題を抱えているために競合選手になかなか手を出せない状態にあるのは少しもどかしい気もしますが、安定感はあるこの一本釣り方式で今回も堅実な指名をしてきたという印象です。とはいえ、入江投手と牧選手というドラ1相当の選手を2人も同時に獲得したのは近年では初めてなので、一年目から主力選手として新人王も狙える活躍に大いに期待したいですね。

 また他球団からは、ヤクルトを戦力外になっていた風張蓮投手をトライアウトを経て拾い、更に梶谷選手の人的補償として内野手の田中俊太選手を獲得しました。先日育成契約を結んだ宮國椋丞投手も含め、前の球団からは見切りを付けられた選手を獲得した形にはなりましたが、活路を見出してくれた新天地で一念発起してファンに愛される選手になってほしいですね。

 そして、新外国人選手としては先発候補のフェルナンド・ロメロ投手を獲得しました。まだ26歳になったばかりと若く、安定感のある先発を切望しているチームにとっては最高の補強になったのではないでしょうか。

 他にも育成契約のケビン・シャッケルフォード投手も早いうちの支配下がありそうですし、外国人選手を多く取って長いシーズンを乗り切る近年の主戦法に則った補強ができています。全体としては、主力選手のFAを強くは慰留しなかったことから、一見するとコロナ禍の球団経営の厳しさも推し量られるオフでもありました。しかし実際はそうではなく、正常な世代交代を促し、将来的に長くチーム運営を続けていくためのDeNAの固い意志の表れたシーズンオフだったと言えるでしょう。

新外国人分析

 この項では、今年からNPB入りとなる選手の過去の成績を見ていきます。DeNAが獲得したロメロ選手は緊急事態宣言による入国規制のため未だ来日の目処が立っておらず、開幕にも間に合わないことが濃厚ですが、一応早いうちに一軍に合流する想定で分析します。

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 ロメロ投手は先発で平均球速153km/h台、中継ぎでは155km/h台も超えてくるツーシームを最大の武器とする右投手です。フォーシームも含めると6割前後を速球系が占めており、最低限の制球力さえあればNPBの強打者相手にも直球で空振りを奪えるのではないでしょうか。一方で要所でのコントロールがあまり無いのか被打率が高く、特に左打者には長打を多く食らっているのは不安な点で、左の好打者を擁する巨人やヤクルト相手には苦戦を強いられそうです。ただ先述の通りまだ26歳ととても若いので、戸柱選手ら捕手陣とも綿密にコミュニケーションを取って効果的な配球を組み立て、チームの大黒柱となる飛躍に期待です。

 

 

4. 2021年の予想布陣

 最後に今シーズンの予想布陣を見ていきましょう。 投手、野手ともに昨シーズンの成績と一軍実績や年齢、最近の二軍成績や記事をもとに、今年の陣容を考えてみました。実績があっても怪我や未入国のため計算できない選手もいるため、選手の背景色によって選手の状態(ほぼ異常なしと思われる選手故障の影響が大きいと思われる選手灰色未合流の選手キャンプ開始時点で育成契約の選手)が分かるようにしています。年齢や怪我の状態を考慮して実績があっても載せていない選手もいますが、その点はご了承ください。

投手陣

2021年DeNA投手予想布陣

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疲弊度は、以前の記事でまとめた昨シーズンの"勤続疲労"を示す指標で、登板間隔が短く投球数が多いほど大きくなります。

 先発陣今永投手が左肩クリーニング手術の影響で無理をさせられないので、昨年後半と同様大貫投手が軸になります。同世代の今永投手以外の先発候補の中で最も年長者になるので、落ち着いた投球でQSを積み重ねてチームを牽引する役割に期待です。そして2番手、3番手となる平良投手と濵口投手もシーズンを通してローテを守る安定感が求められます。昨年の成績からするとエース候補でもある平良投手はとりあえず怪我をせずに一年を乗り切ってほしいですね。濵口投手はペース配分が課題ですが、監督が変わったことである程度長いイニングも任せられるようになると思うので、一軍実績が最も豊富な先発投手としてライバルチームのエースとの対決でも互角に渡り合う大車輪の活躍に期待です。4番手以降は絶対的な投手はいませんが、無念の2年目からのブレイクを期す上茶谷投手やルーキーの入江投手、5年目の京山将弥投手、4年目の阪口皓亮投手らの争いになるでしょうか。特に開幕ローテに内定している京山投手は三浦監督の期待も高そうなので、未来のベイスターズを担う同年代のライバルとともに切磋琢磨してレベルアップしていきローテの座を最後まで死守してほしいです。ローテ候補としては入国規制により入国できていない新外国人のロメロ投手やピープルズ投手もいますが、外国人投手に出番を与えないくらいの成長を見せて今永投手を焦らせてほしいですね。

 一方の救援陣は、パットン投手が退団し、エスコバー投手も入国規制により序盤は計算できないことで、勝ちパターンの大幅な再編が求められるシーズンになります。クローザーの三嶋投手とセットアッパーの石田投手は問題ないとして、その脇を固める平田投手や砂田投手、国吉投手、伊勢投手の更なる奮起が欠かせません。他にも社会人ルーキーの池谷投手やトミー・ジョン手術からの復活を懸ける田中健二朗投手らも相当な覚悟で一軍の枠を掴みにくると思いますし、昨年掴んだ感覚を忘れずに勝ちパターンに定着してほしいですね。そして、ルーキーから5年間守ったクローザーの座を簡単に明け渡してしまった山﨑康晃投手はプロ入り後初めて自分のポジションをイチから取りにいかなければならない勝負のシーズンになります。昨年の異例のシーズンの中で気付かされた新たな発見もあったと思うので、この貴重な経験を糧にして更なる進化を遂げる一年にしてほしいです。

野手陣

 野手陣は、昨年の成績をもとに3パターンの予想打線を組みました。パターンA昨シーズンの最も良い時の打線をベースにした理想打線パターンB二年目のジンクスを考慮し、昨シーズンブレイクした選手を除いて実績や経験を重視した打線パターンC年齢や体調不良によるパフォーマンス低下を考慮し、若手を多く起用した打線になっています。

2021年DeNA野手予想布陣

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 入国規制でソト選手とオースティン選手の2人の主砲が序盤はいないという異常事態で、生え抜き野手陣の発奮が不可欠なシーズンになります。レギュラーとしては2年目になる佐野選手は二年連続の3割20本をノルマにするくらいのつもりで主軸としてもう一回り成長してほしいです。同じくクリーンナップを任されるであろう宮﨑選手とともに首位打者争いも期待したいですね。この2人に加え、昨年はやや出場機会に恵まれなかった神里和毅選手や二遊間のレギュラーを争う柴田選手と大和選手、倉本選手ら一軍戦力の活躍も欠かせません。大不振からの再起を誓う桑原将志選手も含めて、この中から表彰選手も出せるくらいの有意義なシーズンを送ってほしいですね。

 一方、打撃が課題の捕手陣は、メインの戸柱恭孝選手に加え、嶺井博希選手と4年目の山本祐大選手らを併用していく形になります。捕手の打力面で致命的な欠点があると恒常的に強さを維持することは難しいと思うので、しっかり競争させて全体的に底上げを図ることが重要になります。そして、外国人野手の不在時に空く一塁と右翼には、ルーキーの牧秀悟選手と5年目の細川成也選手が入ってくるでしょう。将来の主軸として期待値の高い同世代のこの2人が黄金期を迎えるためのキーマンと言っても過言ではないので、一軍の打席を多く与えて未来に繋げるシーズンにしなければなりません。ソト選手とオースティン選手の合流は早く見積もっても4月末くらいになりそうですが、若手の力でなんとか踏ん張ってポストシーズンへの切符を掴んでほしいですね。
 

5. 終わりに

 以上、2021年の横浜DeNAベイスターズの戦力分析でした。ラミレス監督になってからは平均以上に勝てるチームに生まれ変わりリーグ優勝を果たすために足りないものも存分に思い知った5年間だったと思います。久々に生え抜きのスター選手として指揮を執る三浦監督は厳しい船出にはなりましたが、現役時代と同様の我慢の采配で難所をくぐり抜けてDeNA初の日本一を達成してほしいですね。

 遂に開幕まで一週間を切りましたね。結構ギリギリになってしまいましたが、残りの記事も開幕までに上げられるようもう少しだけ頑張ります。次回は昨季セ・リーグ5位の広島東洋カープの記事になります。それではまた。

 

6. 参考サイト

プロ野球 - スポーツナビ

NPB.jp 日本野球機構

- nf3 - Baseball Data House Phase1.0 2020年度版

データで楽しむプロ野球

2020年12球団パークファクター - 日本プロ野球RCAA&PitchingRunまとめblog

FanGraphs

Baseball Savant